2019年4月 8日 (月)

新元号「令和」発表騒動

子どもの頃、こんな体験をすると思わなかった。20190408_4
私はもちろん「昭和」生まれなのだが、「昭和」という時代はとても長かった。
昭和天皇が崩御される前に「次は何という元号になるんだろう」と話したことを覚えている。
そして「平成」になった。
「人生の中で新元号発表の瞬間を味わえると思わなかった」
とあの時は思ったが、それが2度も体験するなんて、想像もしていなかった。

そのおかげで、前回の「平成」発表との違いをとても感じることができた。
前回は「天皇陛下崩御」という日本全体が悲しみというか喪に服している最中だった。
今回は「生前退位」となったため、雰囲気からして違っていた、
まず今回のように、テレビで「〇〇時代を振り返る」とか「新元号予想」のような浮かれた番組がなかった。

さらに新元号が「令和」と発表される時も、細かくスケジュールを発表し、テレビもネットもSNSもフル稼働した。私も会社のネット経由でライブを見ていたが、発表が近くにつれ、ネットのスピードが落ち、視聴が難しくなった。
そして「令和」と発表された途端、同じ漢字の名前の人や、地名にはないとか、国内だけでなく海外の企業名まで「関連づけ」て記事にされていた。

この現象を見ていて、「昭和から平成」に変わった時とは随分違っていると感じた。
その1つは、先に書いたように前回は「崩御」を受けての改元だったが、今回は「生前退位」による改元で、どこかで少し「お祝いムード」の感じがあった。
会社でもそんな話が出て「これなら生前退位も良いよねぇ」と言う人もいたが、歴史を見てみると「権力の二重構造」を生む場合もあるので、単純に制度化するわけにはいかないだろう。
それはそれで別の課題だけれど、こんな「お祝いムード」で改元されるのは、悪いことじゃないなぁと思った。

もう1「平成」に変わった時と圧倒的に違うのはネットの普及だ。
これも先に書いたけれど、「同じ漢字の名前」「地名」「企業名」などなど、ネット時代得意の「検索機能」をフルに活用して次々ネット上に紹介されていた。
同じような傾向が、次の新聞記事にも載っていて、それを見て「ずいぶん30年前と違うなぁ」と驚いた。
そして次の日には「企業名に『令和』を入れるところが出てきた」のような便乗というか後追いの記事まで紹介されていて、もう「令和」つながりなら何でも記事になるようだった。

私の年齢から見れば、昭和には2つのイメージがある。
子ども頃は、まだまだ「戦争」に関連する議論が高く、その後「高度成長」につながり国も街も豊かになった。
平成は「災害の時代」と言われるが、今回の改元発表騒動を見ていると「ネットの急激な進歩」も特徴的な側面だろう。
さて、来月から始まる「令和」はどんな時代なのだろう。
個人的には「老後の時代」になることは間違いない。

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2019年4月 1日 (月)

訃報 萩原健一

今日から新年度、そして今日のお昼には新元号が発表される。
いよいよ平成の最後の時期になってきた。

そんな時に第一報は、風呂上りにTVを点けたときだった。 20190401
いつもはそんなことをしないのに、たまたまTVをオンにしたら、このニュースが流れていた。
「ウソッ」
これが、最初の感覚。
そのあと、私が高校時代の頃が、走馬灯のように思い出された。

「萩原健一」「ショーケン」と呼ばれるこの人は、私の同世代から見れば
「片島三郎」であり「あにき」であり「マカロニ刑事」であった。
特に「片島三郎」は、強烈である。
これは「前略おふくろ様」の役名。

今のようにネットのない時代だし、ビデオ録画もない時代だったので、毎週放送を楽しみにして、その時間に合わせて宿題をやっていた。
そして、学校に行くと「かすみちゃんが、こうだった」とか「半妻さんが、どうだった」とクラスでわいわい話したものだ。
私の同級生の中には「前略おふくろ様」に刺激され、調理師になったやつがいる。

「傷だらけの天使」も我々世代には強烈な印象だった。
水谷豊が「あきら」と呼ばれ、軟弱な若者で、いつも「あにき~」と言っては萩原健一演ずる「おさむちゃん」にくっついていた。
このドラマは、おしゃれだったし、型破りだったけれど、一番カッコよかったのはオープニングだった。

この2つのドラマは、書き出すと停まらないくらい想い出がたくさんあるし、今だってYouTubeに載っていたり、スカパーで放送されたり、時にはパロディになったりするくらいインパクトのあるものだった。
音楽も演出も脚本も周りの役者もスタッフも、すごく良かったし、贅沢な創りだったが、やっぱり萩原健一の魅力が、私たち世代を魅了させたのだろう。

破天荒でいろいろな事件も起こしたけれど、今の奥さんと出会ってからは平穏な人生のようだったし、何より私たち世代の青春時代を、楽しく彩ってくれた彼に、ありがとうと言いたい。

合   掌

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2019年2月12日 (火)

トクサツガガガは「あるある」ドラマ

番組の宣伝を見てちょっと興味を持っていた。
ただあまり「ドラマ」を観ない方なので、どうしようかなぁと思っていた。
TVドラマは最近まったく観ない。
理由はいろいろあって、ここに書けるほど「これ!」という理由があるわけじゃない。
ただこの「トクサツガガガ」は、「トクサツ」と言う言葉で興味を持った。
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もっとも私の好きな「トクサツ」は、年齢的に「ゴジラ」「ガメラ」とか怪獣ものが主流で、戦隊ものが流行り始めた頃には大人になっていたので、興味を示さなかった。
しかし番組の宣伝を見ていると「心に秘めた何かハマッている人」には、響く内容に思えた。
そう思っていたが第1回の時には、うっかりしててチャンネルを変えた時には「トライガーの君(ドラマを見ている人には分かるはず)に地下鉄で出会い、目と目とで分かり合えるシーンだった。
 
「これは面白そう」と思い、第2回からは録画してみることにした。
観るまで知らなかったが、このドラマは私の住んでいる街のNHKが制作していて、ロケがこの地方で行われている。
だから、第2回に出てくる「ヒーローショー」は、有名なスポットだったり、商店街も「ああぁ、あそこだ」と場所が分かるのも個人的には楽しめる。
 
しかし、この「トクサツガガガ」の最大の面白さは、何かにハマッている人たちの「あるある」だ。
私自身、この主人公のように内緒にしていたわけではないが、先に挙げたように「怪獣的な特撮」が好きだ。
北代さんじゃないが(これもドラマを見ている人には分かる)声高に言うことでもないと思っているので、会社でその話題を人に話したことはなかった。
ただ、どんなきっかけだったか忘れたが、10歳以上年下のある社員と、その分野について話すようになった。
 
それからどのくらい経ったか覚えていない。
私とその社員と「例の」と言った調子で分かる人にだけ分かる符丁で話していたら、後日さらに年下の社員が「もしかして、あちらの方?」とこれまた符丁で尋ねられ、盛り上がってしまった。
私を含めたこの「怪獣的な特撮ファン」は、私が一番の年長者、そして10歳下、15歳くらい下と年齢差がある。
私以外の二人からすれば、私は「創世記のゴジラをリアルタイムで観た人」と一目置かれる立場なのだが、これも「オタク」の中だけで、通じる価値観だ。
 
「トクサツガガガ」で言えば「吉田さん」的なポジションなのだが、私自身「吉田さん」のように「良い年齢して」と迷ったことはない。
なにせ私の2歳上に、もっと詳しい友人がいて、昔は古いゴジラ映画を見ながら「ああだ、こうだ」と夜中に語り合ったものだ。
これを他の二人に話すと、「羨ましい」と言うが、これも「オタク」のあるあるだ。
 
こんなふうに「トクサツガガガ」には、分野がイロイロ違うにしても何かにハマッている人(あえて、オタクとは言わない)たちにとって、とても「あるある」なシーンや言葉が次々出てくる。
最近NHKは「チコちゃんに叱られる!」「トクサツガガガ」のように、以前のNHKでは考えられないような番組がどんどん出てくる。
そして、制作費が豊富にあることもあり、どれもなかなか良質なデキだ。
まずはこの「トクサツガガガ」は、今のところ楽しみな番組の一つとなっている。

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2019年1月 7日 (月)

年末に見たNHK番組2本

新しい年になったが、話題は昨年末というか12月初旬に見たテレビのこと。
昨年の1月のブログを見直したら、同じように年末番組の話題を取り上げていた。
やっぱり年末は少し時間があるし、TV局(といってもNHKが多いが)も良い番組を年末年始に出してくる影響だろうか?
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●アナザーストーリー
 ~運命の分岐点。衣笠祥雄
私世代の人間だと「赤ヘル軍団」とか「連続試合出場記録の鉄人」とかいう言葉が最初に浮かぶ人だ。
ただ、この人の野球人生を詳しく知らなかったので、入団するまで、そして入団当時の様子など初めて知ることが多かった。
 
それまで、真剣に野球に取り組んでなかった衣笠さんに対し、根本監督から「お前、プロ野球選手やんな?何売れるの?」と言われて、初めて自分自身の力を見直すきっかけになったエピソードは、野球選手に限らない「深い言葉」だった。
 
野球選手じゃあなくても、これを聞かれて答えられる人って、そうそういないんじゃあないかと思う。
私自身を振り返ると、それを考えた時期が確かにあった。
今の会社の前に勤めた制作プロダクションに入社した時、自分より10歳以上年下のデザインを見て「あんな発想は俺には無理だなぁ」と思ったことがあった。
じゃ、それに負けない武器を持つならと、当時導入されたばかりのMacintoshのことを詳しくなろうと思ったことを思い出す。
 
途中から「連続試合出場」の話、そして「人としての優しさ」、さらに有名な「江夏の21球」の場面など、衣笠祥雄さんの人となりが分かるエピソードで盛り上がっていった。
そして、番組はエンディングへ。
エンディングロールが流れる中、衣笠さんが「スポーツは誰に向かってしてるんですか?」とディレクターに問いかけた。
「それは子供たちですか?」と答えるディレクターに「だから、子供達が見て正しいと思ってる道しか歩いちゃいけないんです。」「そして、マスコミもそれを忘れている」
この最後の言葉は、衣笠さんの遺言のようなもので「重い言葉だな」と心に染入っていった。
 
●昭和の選択「開戦を回避せよ!
 ~近衞文麿・日米交渉の挫折~」
「近衛文麿」と言う人は名前ぐらいしか知らなかったが、今回初めて詳しく知った。
今回、この番組を取り上げたのは、1つは「ポピュリズム」の危うさが分かったと言うことだ。
トランプ大統領が出たことから「ポピュリズム」と言う言葉を知ったが、大衆の望み通りに動く政治家は実は国民のためにならないことがあると知った。
 
最後の締めで、磯田氏が「ポピュリズム」で大衆迎合し「ワンフレーズ」で単純化し、判断を間違える危うさを話していたが、それを聞きながら「小泉総理」ってもしかすると、その道を歩んだんじゃないかと思えた。
「ワンフレーズ」「自民党をぶっ壊す」と言い、政策も知らず熱狂的に「小泉ファン」を作り、高い支持率を保ち続けた。
ただ、信念どおり政治を行う場合、あまり支持率ばかりを気にするのは良くないんだなぁと思えた。そういう意味では、マスコミも「支持率」ばかりスポットをあてて報道するのは考えものだ。
 
最後に「松岡洋右」と言う人と「ハル国務長官」と言う人の話が印象に残った。
「あり得ない前提(この場合はドイツが確実にイギリスに勝つ)でモノを考える人」が松岡氏。だから「日独伊三国同盟」を締結してしまったと言う話。
そして、何とか戦争を避けようとする日本の総理とアメリカの大統領がいても「原理原則」を第一とする法律家出身の「ハル国務長官」という人間の影響で、戦争に進んでいってしまった話。
国と国の戦争なのだが、実は「個人のパーソナリティ」が最終的に大きな影響になっていく怖さを知った番組だった。

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2018年2月13日 (火)

英雄たちの選択〜新春スペシャル「幕末ヒーロー列伝 これが薩摩藩の底力だ!」

前回同様、今回も正月に見た番組の話。
この番組はここ2~3年何度か取り上げているが、磯田氏の思いや狙いがうまいのか「なるほど」と思うコメントを聞くことが多い。
昨年で再雇用になり、次世代の社員たちが新年度やこれからの活動を計画しているが、それを見て「こういうことも知ると良いのに」と思ったので、今回取り上げた。
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「英雄たちの選択~新春スペシャル『幕末ヒーロー列伝 これが薩摩藩の底力だ!』」は、今年の大河ドラマが西郷隆盛を取り上げているので、その関連と言う感じの特番だった。
内容はともかく、印象に残った言葉を紹介したい。

■時代を変える三要素=よそ者、若者、ばか者
ネットで調べると賛否両論あるようだが、個人的には「一理ある」と思った。
特に「よそ者」に対しては実体験もあるし、30代後半から感じていたことだ。

今の会社の子会社にいる頃、ある案件の会議に出席し、ちょっと辛らつな意見を言った。
その時、私は「子会社のスタッフ」なので、ある意味「よそ者」だった。
だから、目上の人も私の意見に「耳を傾けて」くれた。

でも、子会社から転籍した後、同じような場面で同じようなことを発言したら「君は誰に対してモノを言っているんだ」と一蹴された。
日本人は、自分を謙遜して話す。
それが企業間にもあって、他の企業から言われると「本当にそのとおり。勉強になります。」と言うが、自分の会社の目下のものが言うと「君は分かっていないよ」と鼻で笑う。

だから企業の体質や考え方などに変革させるには、やっぱり「よそ者」でないと意見も述べられない。
あとの「若者」「ばか者」は、変革させるためのエネルギーや怖いもの知らずの部分であり、これも社内の人間がやると、「ちょっと面倒なやつ」というレッテルを貼られてしまう。
だから「よそ者」という武器は、変革には絶対に必要なのかもしれない。

■見晴らしが良い場所に立つのが必勝
これはある意味、当たり前。
特に戦国時代の戦(いくさ)を見れば分かるように、俯瞰で状況を確認しないと勝てない。
でもビジネスの世界ではなかなか難しい。
どうしても目先のことで判断してしまう。
「今期の売り上げはどうか?」
「利益はあるのか?」「無駄な投資じゃないのか?」
などなど、全然「見晴らしの良い場所」で検討していないことが多い。

ビジネスの世界での「見晴らしの良い場所」とはどこだろう?
そこに気づいたものが、経営的な勝者になるのだろう。

■スタッフと指揮官は違う能力
最後は、やっぱり自分も振り返って感じたこと。
このブログでも同じようなことを何度か書いた記憶がある。
技術力がすごい人が、すごい経営者ではない。
素晴らしい開発者が、素晴らしい経営センスがあるとは限らない。

一番すごいのは「自分の能力を分かって、足りないものを他人で補填する」人。
具体的は、「本田宗一郎」氏がそうだろう。
「俺はエンジンのことは分かるが、経営の事は分からない」といって生涯のビジネスパートナーとして「藤沢武夫」氏を選んだことは、とても有名だ。

会社員としては一線から外れて始めているが、こんな番組の中のこんな言葉には敏感でいたいものだ。

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2018年2月 5日 (月)

映画「ヤクザと憲法」

1ヶ月以上経ってしまったが、なかなか「考えさせられる」内容だったので、備忘録的に記録することにした。
本来は私の住む地方のローカルTV局ドキュメント番組で、その番組自体は2015年放送のものらしい。
それを再編集して、『ヤクザと憲法』として2016年に公開された。
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その映画版を正月休み中に地上波で放送していたので見た。
最初は「本当のヤクザの姿って、どうなんだ?」「よく事務所で撮影させてもらたなぁ」と興味半分で見始めたが、途中から「世の中の表裏の深い問題」を見せられた気がしてきた。

ドキュメンタリーなので、やはりある特定の組の事務所を定点的に記録している。
一般的には「ヤクザは人に迷惑をかける人たち」と思っている。
なのに、なぜか今も若い人たちがヤクザになりたがる。
なぜか?

高校生の頃から入門を希望し、親分に諭され卒業してから事務所に住むようになった若者が言った。
「ここは、自分を受け入れてくれる」
「学校では自分を受け入れてくれる場所はなかった」

キレイ事のように「みんな仲良く」「いじめはやめよう」と言っても毎年毎年「いじめ」が原因で自殺する子供がいる。
自殺しなくても「自分の居場所」を見つけられず、誰にも手を差し延べられない子供たちはたくさんいる。そんな子供たちの最後の受け皿に「ヤクザ」はなっている場合もあると、彼の言葉は言っているような気がする。
ちなみに、ヤクザ側から子供たちを誘ってはいない。逆に思い直すように、一度は帰している。

そして映画のキャッチフレーズにある「ヤクザには人権はないのか?」
ヤクザの家族ということで、普通の生活が出来ない。
「銀行口座が開けない」
「クルマや携帯電話が購入できない」
そして「保育園、幼稚園に入れられない」

この状況を親分が説明した後に画面は、「日本国憲法基本的人権」の条文が映される。
ヤクザ本人は、ある意味法律外のエリアで生きている人たちだから「人権はないのか?」と言われると「ないかも」と思わないではない。
でも家族はどうなのか?
家族と言うだけで「生活のあらゆる利便性や権利」を剥奪していいのか?

今、私たちはいろいろなところで「反社会的勢力に関する覚書」に署名・捺印している。
自分自身がヤクザとは無縁だから気にしていなかったが、あのおかげで「普通の暮らし」が出来なくなっている人がいるのだと、改めてその署名・捺印の重要性に気づいた。

「じゃ、ヤクザをやめればよい」
と簡単に片付けるには難しい。キレイな社会では「自分の居場所」がない人はどうやって生きればよいのか。そんな重い課題を見せられた気がした。

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2018年1月22日 (月)

バトンを渡す~TSUKIZIワンダーランド

先週に引き続き年末に見た放送の話。
題名は「TSUKIZIワンダーランド」

80年の歴史を有する築地市場。「築地は単に魚を売っているだけではない。仲卸をはじめとする食のプロフェッショナルが介在し、豊富な情報や商品知識を取り扱っているのだ」という視点から、セリの現場や料理人の仕事、食育の様子の取材や開場当時の秘蔵映像を交えて、さまざまな角度から築地を見つめる。撮影期間は2014年3月から2015年6月までの1年4ヶ月間(総撮影日数143日)、総撮影時間602時間。取材人数は仲卸人81人を含む153人に及んだ。(ウィキペディアより)

20180122_2この映画で初めて「仲卸」の役割を知った。
私たちは「仲卸は、新鮮でよい魚を選ぶ目がある人」と思っていたが、そうではない。
自分の顧客のニーズを知り尽くし、その「ニーズにあった魚かどうか」を見極めるのだそうだ。
だから「仲卸」「顧客」は絶対的な信頼で結ばれており、「顧客」は信頼する「仲卸」「良い」と言って仕入れた素材を信じて購入するのだそうだ。

今、日本のビジネスは「グローバル」的になり「どのような契約なのか」が大事になり、「築地」で繰り広げられている「信頼」をベースにしたようなビジネスは、滅びつつある。
ある意味では「築地市場」は、最も「日本らしい」ビジネスが展開されている場所でもあるようだ。

その映画の中で、確か寿司屋の人だったと思う。
「漁師から仕入れ、運送、卸、仲卸と人を繋いできて、最終的にお客様にバトンを渡す我々が、ヘマをして価値を下げるようなことのないように、細心の注意を払っている」と話していた。

この言葉、わが社の営業に聞かせたい・・・・。
まぁ、ウチの会社だけでないけれど、どんな企業でも分業化されていて、「自分たちの領域」だけの事ばかり気にするが、本当は「最終的な消費者がどう感じるか?」なのだと改めて胸に響いた。

今は、みんな忙しく、つい手元を見ることばかり夢中になるけれど、「信頼」が大きな幹となって成立している「築地市場」だからこそ、本当に大切なものは「何か?」を忘れていないのかもしれない。
IT化とかAI化とか、効率的なこともどんどん進めなくちゃいけないけれど、「大切なもの」を落としていかないか・・・・再雇用の身分だけれど、ちょっと心配な今日この頃だ。

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2017年12月18日 (月)

樹木は生えていた方向で使用しろ

今私が業務している社屋は昭和30年代の半ばに建てられた。
ここ数年「そろそろ耐久年数が」と言われているが、私の好きな趣味の世界で言えば、戦後に復元された城(天守閣)も同じような状況にある。
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最近話題になっている「名古屋城天守閣」も同じ耐久年数の関係で、「入場禁止」の動きもある。
鉄筋コンクリートの建物の耐久年数は5~60年らしい。
ところが「現存12天守」「法隆寺」「東大寺」など木造建築の方が今も建っている。
もちろん姫路城のように解体して修復して再組み立てすることができるのは木造建築の特徴でありメリットのようだが、それにしても木造建築のほうが鉄筋コンクリートよりも遥かに耐用年数が長いというのは面白い。

だから名古屋城の天守閣木造建築復元には基本的に賛成だ。
「そんな予算は高すぎる」とか「今、その必要があるのか?」など反対意見があるようだが、きちんと復元すれば、鉄筋コンクリートなんかよりも長く保てるのであれば、却って安いのではないかと思う。そして木造建築の技術も後世に残すこともできると思う。

11月のある休日にNHKアーカイブ「あの日 あのとき あの番組」という番組で「よみがえる大伽藍~薬師寺 復興事業50年~」を放送していた。
放送は1976年だから今から40年以上前の番組だが、この時の棟梁「西岡常一」が唯一弟子に教えた言葉を聞いて「なるほど」と感心した。
「樹木は生えていた方向で使用しろ」

これは、自然の材料は建物になってからも生きているということを、十二分に知っているからこそ言った言葉だろうと思うが、この言葉の中に、自然から得た材料の素晴らしさを言い表しているのだと思う。
実際には、自然の材料それも状態の良いものを使用して建築するのは、本当に高額で一般には手に届かない。
日本の気候に合う建物は、床下の通気を良くして、湿気が滞らないようにして、そして障子やふすま(木や紙)で呼吸し、土壁で乾燥や湿度を調整できるものが一番良いのだそうだ。
実際、土壁で家を作るとしたら、塗って乾燥させてととんでもなく時間を掛けないといけないから、お金も期間もどっちも超贅沢な状態でないと実現不可能だ。

ただ、何でもデジタルでお気軽に、そして低コストで創作できるようになった分、大事な「すごさ」を失っている気がする。
これは建物だけでなく、職人という人たちが携わってきた仕事のすべてに言えるのではないだろうか?
私の出身である「デザイン」も、時間とお金の掛かるものは出来なくなってきて、そういう意味でちゃんと考えるデザイナーが少なくなっている状態だ。

「樹木は生えていた方向で使用しろ」
今こそ、この言葉の意味を、しっかりと考えて捉えておく必要があると思うのは、私だけなのだろうか?

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2017年5月 8日 (月)

殿、利息でござる!(無私の日本人)

またまた磯田道史氏のネタ。
タイトルにあるのは、彼の原作を元にした映画タイトル。
最近のブログにやたらと登場する「磯田道史氏」だが、実は彼の著書を読んだことがない。
この話も、最初は映画を見た。20170508_musinonihon

タイトルを見てわかるように、内容も結構コミカルで、どっちかというと「超高速!参勤交代」みたいな感じの映画だと思って見始めた。
ところが後半になるにつれ「日本人のDNAに触れるような」話だった。

「原作があの磯田さんだし、原作はどんななのかな?」
そう思って本屋に行き「無私の日本人」を購入して読んで見た。
「物語」として進んでいくのかと思い読み進めると、途中から時代背景などの解説があり、さらにそれが「今の日本とどう関係があるか」を説明する、ちょっと独特の流れで話が進む。
ある意味テレビなどで見る「磯田さん」らしい本の書き方だった。

映画でも出てくるが「お上に意見を述べるときにプロセスの複雑さ」は、原作にも出てくる。
磯田さん曰く、これは、江戸時代に確立された「決定プロセスの複雑化」なのだそうだ。
そして、なぜこうなったかと言えば、戦国時代が終わり平穏な江戸時代となり、武士が余るようになり、「いかに多くの人に働く場所を提供するか?」を考えた末に、決定プロセスが複雑になったと言われている。
さらに奉行所や老中の仕組みを見ると分かるように、「南町・北町」といった同じ機能を持つ組織を複数作り「どこが決定したか?」が分かりにくい形になった。

これは今の日本でも続いており、おかげで「責任の所在が、とても不明確な構造」を持つ国になった。
幕末に「開港」の交渉にやってきた外国人たちは「幕府と交渉するのか?」「帝の許しがなぜいるのか?」と振り回され、最後には圧力をかけて決定を促したと言われる。

磯田さんの「無私の日本人」には、他にも話が掲載されておりどれも面白かった。
なかでも、日本の宗教観「先祖教」は、とてもフィットする解説だった。

日本の宗教観は、「特定の絶対神」でなく、自然を含めた八百万とそして先祖を崇めるのは、「つながり」に対する感謝が根底にあると解説されていたが、だからこそお盆やお正月や、そして何か大切なことがあると墓参りに行き、先祖に報告と感謝をする日本の習慣が理解できる。

この「無私の日本人」を読むと今の日本人が日本人である姿にしたのは、江戸時代に構築された制度だったり習慣だったりが大きく影響していることが分かる。
そう言えば、幕末に日本に来た外国人たちは「この国の人々は、とても貧困だが、いつも笑顔である」と話したと言われている。
財布が戻ってくる国になったのは、きっと江戸時代に作られた日本人だからだろう。

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2017年5月 1日 (月)

英雄たちの選択~大村益次郎の回で感じたこと その2

前回の続き。
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の前に、この「大村益次郎」という人、20代に司馬遼太郎さんばかり読んでいた頃に知った。
「花神」という小説(昔々、大河ドラマになったようだ)で、この人が主人公で「一般の志士」とは違う面白さで、とても記憶に残っている人だ。
小説では「大村益次郎」という名より「村田蔵六」時代が長く語られたので、こちらの名前の方が「ピン!」と来る。
この小説を読むと、なぜこの人の像が「靖国神社」にあるか、とても良く分かる。

「一般の志士」と違う面白さ。
さっき、そう書いたが、この人には「幕府を倒そう」とか「政権を朝廷に」とか「攘夷」とか、志士にありがちな「思想」に基づいて活動したわけではない(少なくとも「花神」では、そんな感じで書かれている)。
元々は医者なので、西洋の進んだ学問や技術に強烈に「知りたい・学びたい」欲があり、その実践として幕末・戊辰の戦略に関わったに過ぎない。

この人は、「当たり前です。勝てるように考えてあるのです。」という熱い思いを胸に抱く志士には不愉快な言葉を、普通に言ってしまう。
多分、今、自分の周りにいたら「嫌な奴」だと思う。最終的にはそんな周囲の感情によって殺されてしまうのだが。

さて、本題。
この人が西洋から学んで実践したのが「散兵戦術」
当時の武士の「みんなでわ~~~って攻めていく」戦い方ではなく、現代の軍隊のように「小隊制」で、目的を1つに戦い方を小隊にある程度任せる。ざっくり言うと、こういうことらしい。

番組中、この「散兵戦術」の話の時に、中野信子さんが「その場合、小隊がかなり訓練されて、優秀なリーダーでないと勝てなくないですか?」と質問した。
答えは「その通り」であり、しっかり訓練され、優秀なリーダーが必要で、それぞれの小隊が「自立」出来るだけの力がないと「散兵戦術」は成立しない。

この答えを前回の「会社を生活の場と考えるか?会社を自己鍛錬の場と考えるか?」のように「会社」に当てはめるとどうなるか。
やっぱり「社員教育」「優秀な管理職(の育成)」がとても重要だと分かる。
そして、さらに重要なのが「自立」になる。

あまり言いたいことではないけれど、若い人を見ると「指示待ち」もしくは「確認待ち」が多く「自立」している感じは薄い。
でもそれは、半分は「会社という仕組み」がそうしていて、中途半端に「権限」を与え、ある時は「自分で考えろ」、ある時は「自分勝手な判断をするな」と言う。
この矛盾した命令の中で兵隊たちは困惑してしまう。
もちろん一番重要なのは、上司の矛盾が「実は適切な状況判断」が加味されていることに気づくことだが、それは、経験がないとなかなか難しい。

この問題は、日本中のどの会社にもある課題だが、この「散兵戦術」の構築の中に、解決の糸口があるのじゃないかと、番組を見ながら思った。
2回に渡って書いてきたが、今回の【英雄たちの選択~「大村益次郎『武士よさらば 大村益次郎 常識を破壊する組織革命』」】 には、学ぶべき話や共感できる話が多かった。

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