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2020年7月20日 (月)

数年後を考える目と数十年後見据える目

「何十年に一度の豪雨」
数年前からニュースや天気予報でよく聞かれるようになった言葉だ。
もう毎年のように言われるので「想像も出来ないほどのすごい規模」という緊急性が伝わらなくなってしまった。
今年も九州や東海地方にこの「何十年に一度」の豪雨が発生し、大きな災害となった。
「コロナ禍」の途中から「避難時の対策」が話題に上り始めていて、準備していた自治体、これから議論しようとしていた自治体とあったようだが、自然はそんなことお構いなしに「猛威」を奮ってきた。
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九州で大きな被害となった「球磨川の氾濫」
県知事が「ダムによらない治水を目指してきたが、費用が多額でできなかった。非常に悔やまれる」とコメントしたが、あるTV番組(バラエティだけれど)でこのコメントについて、ある専門家が解説していた。
「大河川の氾濫を防ぐのは、ダムが一番良い」
その人はそう語っていた。

実際に氾濫した球磨川も、ダム建設が治水を目的にある程度まで進められていたという。
それが例の民主党政権時の「事業仕分け」と地元住民の反対により中止となり、自民党政権に戻っても「議論するばかり」で中止のままだったそうだ。
民主党政権の「ダム建設中止」と言えば「八ッ場ダム」が記憶にあるが、その時に一緒に建設中止になったのだそうだ。

「ダム建設」と言われると「環境破壊」とか「ダムに沈む集落」など新聞などのマスコミも割と「ネガティブ」なキーワードを羅列する。
そして「建設賛成派」の説明で言われる「今まで以上の災害を想定した場合」でも「そんな何十年に一度発生するかどうか分からない災害に、税金を無駄遣いするのか」という意見が、これまでは「正しいような」気がしてきた。
しかし、TV番組でも言っていたが、今回のような大災害になってしまうと「建設費よりもっと多い災害対策費用」が必要になると説明していた。

このような大きな災害が発生すると専門家たちは「ほら、警告したことが起きたじゃないか」と声高に説明するし、それまで「環境破壊」「税金の無駄遣い」と言っていた政治家や自然団体の声は小さくなる。
これを単純に「だから災害が発生しないように、公共事業にもっと税品を使うべき」となるのは早計過ぎる気がする。
ただ政治を考えるときに「目の前の困りごと」への対策と「将来発生するかもしれない困りごと」への対策の2つの視野で見なくちゃいけないことが今回学ぶべきことなんだろう。

これは企業も同じで「目の前の収益」ばかりでなく「将来の市場変化に対応するビジネスモデルへの対応」の2つの視点で経営する必要がある。
ところが戦後、高度成長時代からバブルまでに若い時代を過ごしてきた今の多くの経営層には「目の前の収益」を考える経験はしているが、「将来起きるかもしれない変化」への経験はない。
ただただ「そのうちに景気が持ち直すから、それまで耐えよう」といったような「受身的」な判断をする企業が多い。

今年は「コロナ禍」「記録的豪雨による大きな災害」の2つの悩ましい課題がある。
政治家も企業も「数年後を考える目と数十年後見据える目」のどっちも必要だけれど「あなたたちは、どう乗り切りますか?」と世界中、そして日本全体に問いかけられ始めた時代の始まりなのだろう。
我々会社勤めの人間にはなかなか「経営層」を選ぶことは難しいけれど、政治家は「選挙」があるから選ぶことができる。
次の選挙からは「数年後を考える目と数十年後見据える目」を持っている人かどうかで選んでみたいと思っている。

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