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2014年5月19日 (月)

「対応力」にコスト的価値はないのか?

このブログも長くなり、同じようなことを書いていることが多いが、今回も何度か話題にしてきたこと。Taiouryoku

「対応力」
という言葉の定義が、とても曖昧である。
わが会社は、私の地方ではそれなりの規模として認められているが、全国的に見れば大したことはない。
そう言いながら、業界順位的には10数位前後なので、それだけ聞くと「大きな会社じゃん!」と誤解を招く。

わが会社は印刷会社で、その業界のトップ2は大○本印刷と凸○印刷が君臨しており、その次の規模が数社、そしてその下はどんぐりの背比べという構造になっている。
で、わが社はその「どんぐり」の一群なので、そんなに大きな企業ではない(でもグループ全体では1,000人を超える従業員だから、小さくもない)。

印刷業界の仕事の受注方法には大きく分けると3つある。
1つ目は、既存顧客からの指名発注。
2つ目は、金額だけの入札。
3つ目は、企画・提案(デザインも含む)を主軸とした競合プレゼン。

私自身の仕事は3つ目が主要ミッションなので、「他社に負けない良い企画」を考えることが重要となる。
ちょっと前までは「良い提案」であれば、「少し高額」でも受注出来た。

ところが最近は顧客から「良い提案だから採用したいけれど、金額を合せられるか?」というニーズが多い。
企画している私たちからすれば「そんなバカな!」という状態である。
「良い企画」というものは、「付加価値」であり、そこには単純な材料費では計算できない「コスト価値」があってしかるべきであり、そうでなければ、しのぎを削って競合プレゼンする意味がない。
「金額を合せて」というなら、2つ目の方法の「入札」にすれば良い。

と、ここまではここ数年の傾向なのだが、最近は、もっと拍車が掛かっている。
「先に挙げた業界トップ2位の業者に出していたけれど、対応が悪いので、新しい業者に発注したい」
そんな顧客先からの声を聞いて「チャンス!」と思うのだが、よく聞くととんでもない低価格。

「そりゃ、対応も悪いよね?」
そう私たちは思うのだが、当社の特徴は顧客満足度の高い「対応力」
だから、ギリギリのところの金額で受注を狙うのだが、やはり手間は掛かるし、それに見合う売上金額とは言い難い。

こんなことがこれからもずっと続くのであれば、日本は良い企画も良いデザインも、良い広告も産めない国になるんじゃないだろうか?
テレビ番組がつまらなくなっている要因に「予算削減」があると聞く。
これも、原因の種は同じ気がする。

最近私は半分冗談、半分本気で部下と話すことがある。
「内容や文章の見直しや、細かな対応を一切しなくてよいのなら、今の半分のコストで受けてやる」

「対応力」に対してコスト的価値を認めないのなら、そんな方法の方が良いのである。
現に、激安の「印刷通販プリントパック」は、そんなやり方で激安価格としてやっているけれど、そんな印刷物と私たちの「考えに考えた企画や丁寧な対応」を同じ土俵で比較してほしくない。つまらない時代にないつつあると愚痴をこぼしたくなる最近だ。

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