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2014年3月 3日 (月)

蜩の記

どうしようか迷って、しばらく眺めていた。
文庫本の帯には「感涙の傑作」とあり、さらに「直木賞」とある。Higurasinoki

時代小説は好きだけれど、あまり「直木賞」には興味がない。
それにあまり知らない名前の作家だったし、さらに言えば映画化になっていることも知らなかった。

ただやたら本屋に平積みしてあって、あらすじを読むと面白そうだし、あとがきが「ロバート・キャンベル」と、下手な日本人より日本の心を知っている人が書いているし、ということで結局買って読んでみた。

あらすじは、どこかに載っていると思うので、それを参考にしていただきたい。
読み終えて、いつも読んでいる江戸時代小説とは異なる感じを持った。

そんなに劇的でもなく、そして淡々と話は流れ、不条理の弾圧や死や、途方もない思いやりが溢れているけれど、涙が流れるほどでもなかった。

じゃ、つまらなかったかと言えば、面白かった。
主人公が見守る「戸田秋谷」には、「凛」とした日本人を大いに感じる。
そこが面白い。
時代小説には、今の日本じゃ少なくなった「凛」とした姿や言葉や振る舞いが出てきて、きっとそこが私の好きな部分なのだと思っているが、まさにこの話は日本人の「凛」とした姿を映し出している気がした。

後半のクライマックスでは「これって映画になりそうだなぁ」と思って読んでいたが、すでに今年の10月に公開が決まっているのだそうだ。
出演者は「役所広司」「岡田准一」「堀北真希」「原田美枝子」とあった。

ああ、あの人はこの役者がやるんだなぁと想像が付くキャスティングだ。
役所広司は嫌いじゃないけれど、ちょっと「またか」と言う感じ。
岡田准一は、いくつか時代劇に出てるのを見ているが、これが結構良くて好きだ。

公開が近づくと、もっと話題になるだろうけれど、ちょっと楽しみな気がする。
「矜持」とか「凛」とか「死生観」とか。
そんな大きなものを感じた小説だった。

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