浮世絵 異版の楽しさ
大好きな葛飾北斎を初め、浮世絵を観るのは相変わらず興味があるが、最近このブログに登場してこないのは、ここ1〜2年、私の住んでいる地域で「これ!」と言って面白い展示会がなかったからだ。
そして今回の話の元は、ちょくちょく登場してもらっている「こばちさん」の「マチガイサガシ♪」ブログからだ。
その中で木曽街道六十九次の中の「異版」のことを紹介し、「これが浮世絵の面白さ!」と私と同感の感想を述べられていた。
もちろん、その記事にコメントさせてもらったが、今回は、勝手にその「続編」的に、みんなも知ってる有名な絵柄の「異版」を紹介する。
「みんなも知っている有名な絵柄」
何でしょう?浮世絵って言えば、「写楽」「北斎」「広重」「歌麿」と超有名な四天王がいますが、その中で「誰でも知っている」と言えば「広重の東海道五十三次」。
しかも、この中で最も有名なものは、出発点である「日本橋」である。
この「異版」は探さなくても分かる。一目瞭然。
詳しくは「広重東海道五十三次再刻版の謎解き」を読んでいただいた方が良いが、とにかくこの「保永堂の異版」は、うじゃうじゃ人がいる「原宿竹下通り」並の人の多い「日本橋」だ。
実際に江戸時代小説を読むと「橋には人が溢れ、人並みをかき分け歩く」なんてシーンが出て来るから、本来は「異版」が正しくて、見慣れている方は「旅立ちの情緒」を感じさせる作者の意図があるのかもしれない。
ただ「異版」の方は、人が多いだけじゃなく、空も違うし、左のはしごは無くなっているし、もっとスゴいのは、多くの人の中に「同じ人」が混ざっている。
PC時代じゃないけれど、江戸時代も「コピペ」してたんだろうか??などと見てるだけで、ニヤけて来る楽しさだ。
もう1つ私が笑った「異版」は、同じ「東海道五十三次」の「戸塚宿」だ。
これも細かくは「広重東海道五十三次再刻版の謎解き」を見ていただくと分かるが、私が気に入っている相違点は
「馬から降りる人」〜「馬に乗る人」
なんで変えたんだろう?縁起が悪いとか、朝の風景にしたかったとか、いろんな理由が考えられるが、そんなことを妄想するのも、浮世絵の楽しさだと思っている。
また他にあったら、今後も紹介してみたい。
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