男鹿和雄展
ここのところGWは、美術展などを見て回るようになった。
どこに行っても混んでいるし、今の住まいになってから、地下鉄での移動が便利になったために、こういう混雑時は、公共交通で近場に行って楽しむようになったからだ。
まずは「男鹿和雄展」。
チラシやポスターには「ジブリの絵職人」と紹介してあった。
要は、ジブリアニメの「背景画」の人の事らしい。
元々ジブリの宮崎駿監督自体が「背景」設定の出身者(だったと思う)だから、ジブリの作品の背景は群を抜いて素晴らしい。
その背景というか美術監督の作品展だった。
これは2007年の夏に、東京で開かれた展覧会で、どうやらかなりの評判だったらしい。
楽しみにして出掛けた。
GWであり、しかもジブリ絡みとあって、もの凄い人だった。
しかも子連れも多く、ちょっと「うんざり」と思って入場した。
作品展数が多く、初期の頃から最近までスケッチも含め、面白かった。
確かに混雑していたけれど、「トトロ」とか「魔女の宅急便」とかいわゆるジブリのメジャー作品以外は、そんなにじっくり見る人も無く、以外と1つ1つをしっかり見られた。
いわゆる普通の絵画展と違うのは「セル」が用いられているコトだ。
「セル」があることによって、距離感がグッと感じられる。
これは、今までにはあまりない「鑑賞」だったので面白かった。
そしてもうひとつ。
「トトロ」や「もののけ姫」の背景の精密さには驚いた。
木肌の感じなんかは「写真」と変わらないリアル感である。
あそこまでリアルだと「写真じゃいけないのか?」と妙な感想を持った。
この妙な感想は、「この背景画は芸術画ではないのか?」という疑問を生じさせた。
それくらい表現力が凄いのである。
精密なのである。
展示会の半ばから、出口近くまでこの疑問は消えずに鑑賞していた。
しかし、最後近くになって思った。
「やっぱりこれは芸術画ではないな」
なぜなら、作家の魂としての表現ではなく、あくまでも「アニメ」の背景だからだ。
実際に動く「セル」部分の世界を表現するための「背景」だからだ。
確かに素晴らしい「背景画」だけれど、あくまでも主役でなく場を盛り上げる「脇役」としての凄さなのだと出口では思って見終わった。
気に入った展示会では図録集を買うけれど、今回はやめた。
だって見本を見たら「アニメ」の本だったからだ。
やっぱり印刷されてしまうと「アニメ」らしさが出てしまうんだな。
けれど、下手な風景画よりもリアルに風や光を感じる「背景画」だった。
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