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2008年2月28日 (木)

FavoritesNo.24 泣いた赤鬼

もしかすると「Favoritesシリーズ」ではないのかもしれない。
いつの頃からか、はっきり記憶はないけれど、この童話は忘れられない。
多分、スゴい小さい時から好きだった話だろうし、ラストシーンでは赤鬼と同じように泣いていたのかもしれない080228akaoni_ (それくらい、小さい時の記憶なので、はっきりしない)。

ただ、自分の中で「この童話は何故か大切」と思った記憶はある。
中学だったか高校だったか、もしかすると働くようになってからかもしれないが、この話が夢に出て来て、目覚めた時に枕が濡れていたことがある。

感受性の強い方なので、同じ頃(やっぱり思春期の頃だったと思う)「鉄腕アトム」の最終回の夢を見て泣いた。
余談ですが、手塚治虫の話って、結構悲しい結末が多いんですよね。マニアの中では有名ですが。
アトムは太陽の軌道を変えるために、ミサイル抱えて突っ込むし、ジャングル大帝だって、確か雪の中で「レオ」は死んじゃうんじゃなかったかな?

さて、この泣いた赤鬼。
私が50歳になっても忘れられない「大切なもの」は、何でしょう?
小さい時や、その夢で泣いた時には分からなかったけれど、ずいぶん大人になって「これなんだ」と思うようになりました。

「赤鬼」のために去っていく「青鬼」の気持ち。

これが、もう泣かせます。
そして、やっぱり私は、こんな思いやりを持った人間が好きだし、そんな日本人が大好きです。

なぜか、「泣いた赤鬼」の話は、周辺の人に話しても、あまり覚えていないようですが、きっと幼いながらも私の「心」の琴線に触れる話だったのでしょう。


山の中に、一人の赤鬼が住んでいました。
赤鬼は、人間たちとも仲良くしたいと考えて、自分の家の前に、「心のやさしい鬼のうちです。どなたでもおいでください。おいしいお菓子がございます。お茶も沸かしてございます。」
と書いた、立て札を立てました。

けれども、人間は疑って、誰一人遊びにきませんでした。
赤鬼は悲しみ、信用してもらえないことをくやしがり、おしまいには腹を立てて、立て札を引き抜いてしまいました。
そこへ、友達の青鬼が訪ねて来ました。青鬼は、わけを聞いて、赤鬼のために次のようなことを考えてやりました。

青鬼が人間の村へ出かけて大暴れをする。そこへ赤鬼が出てきて、青鬼をこらしめる。そうすれば、人間たちにも、赤鬼がやさしい鬼だということがわかるだろう、と言うのでした。
しかし、それでは青鬼にすまない、としぶる赤鬼を、青鬼は、無理やり引っ張って、村へ出かけて行きました。

計画は成功して、村の人たちは、安心して赤鬼のところへ遊びにくるようになりました。
毎日、毎日、村から山へ、三人、五人と連れ立って、出かけて来ました。
こうして、赤鬼には人間の友達ができました。
赤鬼は、とても喜びました。
しかし、日がたつにつれて、気になってくることがありました。それは、あの日から訪ねて来なくなった、青鬼のことでした。

ある日、赤鬼は、青鬼の家を訪ねてみました。青鬼の家は、戸が、かたく、しまっていました。
ふと、気がつくと、戸のわきには、貼り紙がしてありました。そして、それに、何か、字が書かれていました。

「赤鬼くん、人間たちと仲良くして、楽しく暮らしてください。もし、ぼくが、このまま君と付き合っていると、君も悪い鬼だと思われるかもしれません。それで、ぼくは、旅に出るけれども、いつまでも君を忘れません。さようなら、体を大事にしてください。どこまでも君の友達、青鬼。」

赤鬼は、だまって、それを読みました。
二度も三度も読みました。
戸に手をかけて顔を押し付け、しくしくと、なみだを流して泣きました。

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コメント

大切なものは児童書の中にたくさんある気がします。
私の中に残っているのは「シンデレラ」(たぶん綺麗さとあこがれ)と「孫悟空」(小学校転校時に先生が1冊持っていっていいといってくださり選んだもの)です。
「孫悟空」は夏目雅子さんがTVやっていたのがすきでよく見てました。

「泣いた赤鬼」もここを読んで思い出しました。
自分は怒る”赤鬼”ですが

児童書は案外読んでいないものがあるので読んでみたいと思っています。
字も大きくて向いてると思います。

投稿: リーフ | 2008年2月28日 (木) 12時51分

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